「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」とは、どのような病気なのですか?(2011年 vol.14)

お年寄りは、咀嚼[そしゃく]運動(噛む力)・嚥下[えんげ]運動(飲み込む力)が衰えていて、さらには咳反射・嚥下反射といった神経活動が低下します。そのため、食べ物や飲み物を飲み込んだと思っても、誤って気管に入ってしまうこと(誤嚥[ごえん])があります。また、寝たきりのお年寄りに寝たままで食事を与えると、胃液と混ざった胃内容物が逆流して、肺に誤嚥されることもあります。

どちらの場合も咳の反射が起こらないので、本人はあまり自覚しません。このようにして起こる肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。

食べ物だけでなく唾液の誤嚥でも同様のことが起こります。唾液は生理的に口の中を潤す目的で1日約1リットル程度自然分泌しています。お年寄りは口腔内のケアも十分でないことが多いので、食べかすが残っていて雑菌が繁殖していることがあります。これが唾液と混ざって自然に気管内に流入することで肺炎が起こります。

このように誤嚥性肺炎の原因は日常生活の中に潜んでいます。よく噛む、食物にトロミを付ける、食後は右下にして横になったり上体を起こす等の体位をとる、口腔内を清潔にするなどの予防策が必要です。

また、誤嚥性肺炎の原因菌である肺炎球菌に対するワクチン接種も、予防のために有効です。さらに誤嚥を防ぐ嚥下リハビリを行う医療機関もあります。気になる方はかかりつけの医師に相談しましょう。

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