家庭血圧計と「仮面高血圧」(2005年 vol.5)

家庭用の血圧計が随分普及してきました。このことでわかってきたことがあります。それは、診察室で測った血圧は正常なのに、家庭で測ってみたら高かったという方が意外に多かったことです。
この方たちを「仮面高血圧」と呼んでいます。正常血圧という仮面をつけた高血圧という意味です。
似たような言葉に、以前からいわれている「白衣高血圧」があります。こちらは、日常生活では正常血圧なのに、診察室だと緊張して血圧が高くなる方です。
最近の研究では、「仮面高血圧」は心臓や腎臓など他の臓器に障害を起こしやすいことがわかってきており、特に適切な治療が必要といわれています。血圧を下げるお薬を服用しているお年寄りを対象に、約三年間での脳卒中や心臓病が起こる割合を調べた研究では、治療良好のグループは1,000人中11.1人、「白衣高血圧」は12.1人、「仮面高血圧」は30.6人、治療不良は25.6人という結果発表もありました。
では、実際に家庭血圧を測るときにはどんなことに注意すればよいかご説明します。まず、血圧計は上腕で測るタイプを選んでください。手首や指などで測るタイプは誤差が出やすい面があり、外来血圧と比較するためにも上腕のものを選んでください。血圧は一日二回、朝と晩に測るとよいでしょう。特に朝は必ず測って下さい。仮面高血圧の中でも、早朝に血圧が高くなっている「早朝高血圧」がもっとも危険だからです。
朝の血圧測定のポイントは、起床後、排尿後、朝食前、降圧薬服用前、座って安静な状態で測定して下さい。
血圧コントロールの目標は、高齢者の方で140/90mmHg未満、若年/中年者の方は130/85mmHg未満、糖尿病や腎障害のある方は130/80mmHg未満といわれています。しかし、これだけにこだわってはいけません。あくまで個人差があります。かかりつけ医の先生によく相談して、あなたに一番適切な血圧を維持し、健康な毎日を過ごして下さい。

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